ネイティブの英会話を流暢に話せるだけでは翻訳はできません。”基本的に翻訳業務は翻訳する外国語よりも、何語に翻訳するのかその翻訳する言葉の正しい使い方や語彙、ボキャブラリーを正しく習得しているかの方が大事です。例えば英日翻訳の場合、英語を知っていることはもちろんですが、日本語を母国語と同等レベル、それに加えその翻訳する専門分野に精通したボキャブラリーを知っていることがとても重要になってきます。翻訳の仕事をして受注する場合の多くは、何等かの専門分野に関する翻訳を依頼される場合が多いと思います。
例えばコンピューター関連の説明書の翻訳だったり、化学や物理学の翻訳、また医学関連書類や最近のテクノロジーに関するものなど、単に日本人だからできるといった範疇のものではなく、専門分野に関する詳しい日本語を知っていることが要求されます。ふさわしい日本語をしらなければまったく意味のなさない翻訳になってしまうからです。ですのでレベルの高い翻訳を要求してくる人は、まず依頼する専門分野の知識にたけている人かどうか、そしてそのレベルをクリアしたうえで英語を知っているかを、依頼する時の判断基準にしてきます。そうでないと英語に一つの単語でもたくさんの違った意味を持つ言葉があるので、誤訳してしまう可能性が高いからです。
また逆に翻訳する原語の歴史や文化的背景を知っていることも重要です。例えばイギリスの会社から依頼される翻訳の中には、イギリスの歴史をしっていないとまったく何を言っているのかわからないことがあります。大英帝国時代の歴史から現在の移民問題に関してまで、どうしてそういう社会的背景があり移民問題が起こっているのか、EU離脱にいたるまでの背景など戦争時代にまでさかのぼって歴史をひもほどいていかないと、何を言おうとしているのかうまく伝えることは難しいです。
言いたいことは、翻訳はただ日本語に訳しただけでは完成度として低いものになるということです。専門知識や様々な国々の歴史や文化など言葉だけでなく普段から様々な知識を習得する努力が求められます。